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KISS の原則 (KISS principle) とは、"Keep it simple, stupid" (シンプルにしておけ!この間抜け)、もしくは、"Keep it short and simple" (簡潔に単純にしておけ)という経験的な原則の略語。その意味するところは、設計の単純性(簡潔性)は成功への鍵だということと、不必要な複雑性は避けるべきだということである。意味はそのままに余計な文字を省略して、"KISの原則"とする人もいる。 == 類似の概念 == この言葉は、ロッキードスカンクワークスの技術者のケリー・ジョンソン (Clarence "Kelly" Johnson, U-2 や SR-71 などの開発者) によって造られた。 この言葉は、一般には "Keep it simple, stupid" (シンプルにしておけ!この間抜け)と解釈されるが、ジョンソンは "Keep it short and simple" (簡潔に単純にしておけ)の意味で用いていた。この言葉にエンジニアを馬鹿にする意図はないが、専門家の独り善がりに警鐘を鳴らす意味がある。 この原則の実例として次のような逸話がある。ジョンソンが設計チームに一握りの工具を手渡して、平凡な整備員が戦闘状況で、この工具だけを使って修理ができるようなジェット戦闘機を開発しろと課題を出したのである。 この原則の起源と思われる似た概念がいくつかある。例えば、「オッカムの剃刀」、アルバート・アインシュタインの「何事もできるだけ単純な方がいい。ただし、単純にしすぎてはならない」、レオナルド・ダ・ヴィンチの「単純であることは究極の洗練だ」の言葉、アントワーヌ・ド・サン=テグジュペリの「完璧とは、これ以上加えられないときではなく、これ以上削りとれないときに達成されるようだ」などである。 コーリン・チャップマン(ロータスの創業者)は、デザイナーたちに、「単純かつ軽量にしろ」と要求した。 ルーブ・ゴールドバーグ・マシンは、KISSの原則の逆に、度を過ぎた複雑な解決法を取った場合にどのようなことが起こるかを示している。 KISSの原則に反して、仕様が徐々に複雑化していくことは、ソフトウェア開発の世界でよくみられる。これは、「なし崩しの機能追加主義」として知られる〔。ソフトウェアが複雑になるにつれて、使い方を習得する時間が増えたり、操作に手間取ったり、どれが重要な機能なのか分からなくなったりする。さらには、ハードウェアへの要求スペックが高くなったり製品価格が高くなったりもする。しかし、大多数のユーザーが実際に使用する機能は、そのごく一部であったりする。ユーザへの負担や開発コストを考えると、単純なソフトウェアの方がユーザフレンドリかつ生産性が高い可能性がある。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「KISSの原則」の詳細全文を読む 英語版ウィキペディアに対照対訳語「 KISS principle 」があります。 スポンサード リンク
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